2008年06月29日

初夏の雑木林

 予報だと今日は雨
 しかし朝から真夏のような日差しが照りつけるので
 遠出を避けて 昔虫取りに足繁く通った近くの雑木林を彷徨いました
 
 人の手が入っている里山らしくまず迎えてくれたのは園芸種のアジサイ
 この絶妙な色のグラデーションは正に芸術品です


 オトギリソウ


 オカトラノオ
 株数も多く今日一番目に付いた花です

 
ヤマゴボウホタルブクロ

 2週間ほど前までは
 春の花と夏の花の調度端境期で林の中は緑一色で寂しかったのですが
 臨床も夏の花たちで大分賑やかになってきました

 ヤブヘビイチゴ
 毒がありそうですが無毒です


 ムラサキシキブ
 実が有名ですが花も負けず劣らず綺麗です


 バラハタマフシバラハタマバチの幼虫が形成した虫こぶです

 雑木林がこれほど豊かであったなんて
 子供のころは気づきもしないし興味もなかったので
 記憶にも残っていないのです
 カブトムシとクワガタしか眼に入らなかったこの林で
 また別の楽しみを与えてもらいました
   


Posted by ビーグル at 00:26Comments(0)

2008年06月28日

盗掘と外来種

 レンジャー仲間と戸隠の沢筋を歩いていると
 植物で埋め尽くされた山肌に不自然に空いた穴を見つけました
 同行のレンジャーが「シラネアオイの大株があったところです」といった
 また見たくない盗掘跡に遭遇してしまいました
 こうした身勝手で欲深い人間の仕業を目にするたびに
 私は悔しさと情けなさと怒りを抑えきれなくなります

 シラネアオイ
 
 金儲けのために盗掘する確信犯的業者は論外ですが
 「私だけなら」と罪悪感を打ち消し持ち去る庶民ハイカーと山菜取りの庶民たち
 この波状攻撃が 年間延べ人数×年数 にすると
 その種の繁殖能力を軽く超えることになり絶滅に追い込んでしまうのです
 
 長野市民の山「飯縄山」でも 山頂のコケモモがほとんど無くなり
 表登山道脇のシャクナゲも全滅してしまいました 残念なことです

 盗掘以外の脅威は外来植物です
 これも人間の仕業ですが
 繁殖力旺盛な外来種は在来種を駆逐淘汰していきます
 西洋タンポポ関東タンポポ
 オオカワジシャカワジシャ
 オオハンゴンソウハンゴンソウ
 オオイヌノフグリイヌノフグリ
 もう書き出せないほど沢山あります

 魚類でもブラックバスブルーギル
 固有の生態系の破壊者として有名ですよね

 私事ですが このたび長野市から自然環境保全推進委員を委嘱されました
 長野県自然保護レンジャーの活動範囲外であった身近な自然の保全にも
 今後 力を入れていきたいと考えています 
 
   


Posted by ビーグル at 00:28Comments(0)

2008年06月23日

熊対策

 長野市周辺の高原では
 根曲竹(チシマザサ)の筍狩りシーズンを迎えています

 庶民のレジャー筍狩りは毎年遭難者を出すハイリスクレジャーなんですヨ

リスクその1.
 身の丈以上の竹が密集した藪に入り
 地表ばかりに目と意識を集中させているので
 方向感覚を失ったり地形を見誤り入山口に戻れなくなる

リスクその2.
 熊との遭遇

 警戒心の強いツキノワグマにとって
 根曲竹の藪は身を隠すことが容易で生活するには最適な場所なんです
 熊が好む場所に立ち入るのですから遭遇確率は大幅にアップするのは当然
 見通しが利かないので鉢合わせしてしまう これが一番危険で最悪なケース

 熊との遭遇回避対策
 1.ホイッスルをこまめに吹いたり携帯ラジオを点けたままにする
  立ち止まることの多い山菜狩りに熊鈴は不向き
 2.音を立てながらゆっくり移動する
 
 つまり自分の存在を早目に熊に気づかせ相手に逃げる猶予を与えるのが一番らしい
 But 昨年 志賀高原での死亡事故では被害者の傍らに電源の入ったラジオがあったそうです
 100%安全とは言えないようですネ

 もしも遭遇してしまったら
 慌てず冷静にといっても無理な話・・でも熊もパニック状態(大変臆病な動物らしい)
 臆病といっても戦闘能力は相手が上 大声だしたりすれば さらに相手を刺激することに
 狩猟本能を駆り立てるので尻尾を巻いて逃げるのも危険ということなので
 大怪我を負っても殺されないための策を講じるしかないようです
 両手を首の後ろで組んでしゃがみ込み頚椎と頚動脈を護ることが最新のベストアンサーらしい
 リックを背負ってると亀の甲羅のごとく脊椎も保護できるとのこと
 お試しあれ???
 


  


Posted by ビーグル at 00:38Comments(0)

2008年06月21日

夏至の裏山

 空模様が怪しいので
 愛犬ハナを連れて裏山へ早めの散歩に出掛けました


 溺愛している彼女 犬でも猫可愛がりしてますicon06

 住宅地を抜けて鬱蒼と緑生い茂る雑木林に入ると
 甘い香りが漂っています
 これは正しくスイカズラの花の香り
 辺りを見回すとありましたありました

 別名:金銀花とも呼ばれ 花は日が経つと白から茶黄色へと変色します
     変色すると香りも弱くなってしまいます
 

 春から夏まで路傍でよく目にするクサノオー


 里山の邪魔者ノイバラ
 以前 子檀岳に登ったときの藪漕ぎで 
 買ったばかりの某有名ブランドのジャージを
 このノイバラの棘でボロボロされましたicon11


 シモツケ 
 
 夏至の里山は以外と花が少ないんデス
 梅雨の長雨でヤマアジサイあたりが先頭きって咲き始めるかもネ


オマケ

 自宅の庭のラベンダーミツバチ
 植えた頃は慎ましやかでしたが 今は繁茂して藪のようです
 元気が良かったワイルドストロベリーが駆逐されてしまいました


  


Posted by ビーグル at 21:19Comments(0)

2008年06月19日

梅雨の里山

 ここのところ爽やかな晴れの日が続いたので
 梅雨であることをすっかり忘れていました
 今日はまさに梅雨の空模様 
 久しぶりに日頃酷使している登山靴の手入れをしていると
 にわかに薄日が射してきたではありませんか
 堪らず 部屋着にゴム長といったいでたちで
 バイクに跨り旭山に向かいました


 モミジイチゴ
 撮影後モミジイチゴは全部胃袋に収めました 甘かった 美味かった

 春に花をつけていた植物はもう実をつけています


 ハナイカダ

 クマイチゴ

 盗掘が心配で毎年訪れているジンヨウイチヤクソウの群落
 すでに花期は過ぎていましたが数株まだ花をつけて待っててくれました
 何とか間に合いました ありがとうicon01


 ヤマクワの実
 もうすぐ熟します ガキの頃 学校帰りによく食べました


 赤松の切り株に生えたマツオオジ?
 
 キノコに木の実 里山はまるで初秋のよう
 今はちょうど春の花から夏の花に変わる端境期
 鬱そうとした山中が夏の花で賑やかになるのも間近です



  


Posted by ビーグル at 20:25Comments(0)

2008年06月15日

若穂太郎山

 共同主宰している里山トレッキングクラブ主催の
 一般公募登山「若穂太郎山トレッキング」のガイドをしてきました
 
 週刊長野・信毎・市民新聞で募集をかけたところ多数ご参加いただきました
 大勢の人達に自然を好きになっていただくこと
 今の里山がおかれている状況に気づいていただくことが
 里山保全・自然保護の出発点だと考える私たちにとって
 一般公募トレッキングは大事な活動のひとつです

 甑岩(コシキイワ)にて
 梅雨の最中とは思えないさわやかな一日でした


 参加者中にオカリナの名手が2人・・・昼食後の山頂がミニコンサートの会場に
 柔らかく素朴な音色は山の空気感と相性ピッタリ
 エーデルワイス等の楽曲が披露されました
 粋なサプライズに感動☆☆デス


 帰路はハルゼミ の鳴声を聞きながらの林道歩き
 初対面の集団とは思えないほど和やかに会話がはずむ楽しいひと時になりました


 キブシの実


 マムシグサの仏炎


 人気の山菜 通称「エラ」 ミヤマイラクサが沢山ありました


 麓の集落 山新田のリンゴの実もだいぶ大きくなってきました
 季節は初夏へと変わりつつあるようです
  


Posted by ビーグル at 17:32Comments(0)

2008年06月12日

戸隠西岳

 長野市戸隠地区山岳遭難防止対策協会
 通称:戸隠遭対協の登山道調査に同行しました
 
 トップシーズン前に指導標、鎖場の必要箇所調査と補修整備
 浮石等の危険箇所や風倒木、刈り払い場所、残雪などの調査が目的です

 今日は西岳のほか戸隠山・高妻山・乙妻山・黒姫山・飯縄山の
 各コースでも調査が行われました

 参加団体も地方事務所・教育事務所・警察・消防・環境省・林野庁・市役所・戸隠救助隊と
 多岐にわたり手分けしての調査となりました

 私が参加したのは断崖絶壁の岩峰が林立する戸隠連峰の中でも
 遭難者の90%以上が墜落死と言われる難コース西岳です

 P1尾根より西岳・本院岳

 戸隠神社奥社から急峻な尾根に取り付き百間長屋


 さらに鎖場を何箇所か通過し蟻ノ戸渡り・剣ノ刃渡りを越え
 戸隠表山と西岳コースの分岐八方睨に到着

 蟻ノ戸渡り・剣ノ刃渡り両側がスパッと切れ落ち高度感バツグン

 霧雨の中、西岳を目指します 
 登山道は狭い稜線に付けられているため何箇所か谷底に崩れ落ちています
 それに入山者も少ないのでルートも不明瞭 遭難≒死 の山
 景観上の難より安全が優先 スプレーやテープでしっかりマーキングしました
 


 最短の下山ルート?を覗いてみました ウォ~ッ コワ!!

 尾根道の両側はシラネアオイが沢山咲いていました


 
 ツバメオモトユキワリソウもチラホラ

 キレットで一旦下降し再び垂直の壁に取り付き西岳へ
 西岳山頂はチシマザサに囲まれた平な尾根道で
 標識が無ければ通り過ぎてしまいそうです

 次の岩峰P1の方が展望は利きました ここからP1尾根を下降します

 不帰ノ嶮の垂直壁を下降する林野庁森林官


 西岳蟻ノ戸渡り


 P1尾根よりP2尾根の北壁を望む


 無念の峰のオーバーハングした鉄梯子を上り
 岩壁をトラバースする環境省の自然保護官

 
 P1尾根に咲くアカモノイワナシの花


             P1尾根より鏡池戸隠スキー場飯縄山を見下ろす


 標高が下がってくるとギンリョウソウが沢山咲いていました
 ギンリョウソウは葉緑素を持たない植物で 幽霊茸とも呼ばれているんですヨ
 そしてツキノワグマのフンも・・・・


 でも熊にも遭遇せず 誰も転滑落せず無事に下山することができましたicon01
 この山は足と腕で登る山です 挑戦する方は足だけでなく腕の筋力も鍛えてください

 
 コースタイム:10時間(今回8時間)経験者向き
  


Posted by ビーグル at 21:26Comments(3)

2008年06月10日

花の大洞沢

 環境省アクティブレンジャーと合同で
 戸隠一不動避難小屋周辺の巡視をしました
 
 一不動避難小屋は緊急時以外の利用は出来ないことになっています
 したがってトイレも設置されていないのですが
 実態は大勢の登山者に利用されており小屋周囲のし尿が今問題になっています

 地元のボランティアの方々が一所懸命清掃美化に取り組んでいますが
 イタチゴッコが続き 現在解決方法が検討されています

 避難小屋の廃止も考えられますが
 登山者の安全を考えると簡単には決められません
 私も数年前 裾花川源流遡行の際 天候の急変で
 この小屋に転がり込んだ経験があります
 この晩は強風が吹き荒れ大洞沢のサワグルミの大木が倒れる悪天
 とてもツェルトでビバークなどできる状況ではありませんでした
 コンクリート製で頑丈なこの小屋の存在がどれ程ありがたかったか・・・


 戸隠牧場は一面ヤマガラシのジュウタン


 爽やかでとても良い天気でした


 牧場の下草は種類も豊富 サギゴケ


 コミヤマカタバミ


 タチカメバソウ

 
 サンカヨウルイヨウボタン


 ヒメイチゲ


 シラネアオイ 山野草にはめずらしい大きな花です


 カモメラン

 
 ハルリンドウユキザサ

 
 ミドリニリンソウハリブキの芽吹き


 大洞沢には未だ雪渓が残っています


 今日は偶然 自然保護レンジャー仲間が先行して入山しており
 登山道や小屋周りは既にキレイでした 感謝


 帯岩をトラバース


 夏道は一部雪に覆われたまま 浮石も多く道は荒れたまま
 十二日の登山道整備が待たれます  


Posted by ビーグル at 23:03Comments(0)

2008年06月08日

ブナ植樹

 「鬼無里ブナの森を育てる会」主催の植樹で
 奥裾花自然園に行きました

 園内のブナ・トチ・ミズナラ・ヤチダモ等の巨木群は
 長野市天然記念物に再指定され郷土の文化財に登録されている

 「鬼無里ブナの森を育てる会」
 平成7年の地すべり災害で失った場所のブナの森再生と
 自然観察会などの活動を行っています

 私も数年前から会員としてブナ・ミズナラの苗を植えてきましたが
 崩壊地は堆積した腐葉土層がない石だらけの荒地
 苗を植えるのも大変ですがブナ・ミズナラは もともと
 荒地に強い樹木では無いので保育を怠ると生育しません
 お世話も大変なんです
 
自然園入り口にある休憩小屋前のずれた側溝
 こんな所にも地すべりの名残りが・・・


 野猿が植樹する我々を興味深そうに見ていました


 奥裾花渓谷はタニウツギがいたるところで満開です


 ハウチワカエデ

 気温が上がってくると園内はエゾハルゼミモリアオガエルの大合唱が始まりました
 梅雨の晴れ間 新緑がとても眩しい一日でした  


Posted by ビーグル at 18:55Comments(0)

2008年06月02日

飯縄山登山サミット

 今年は飯綱高原イヤーです
 
 という事で毎年恒例の6月第1日曜日の清掃登山は「飯縄山登山サミット」とかっこよくグレードUP

 ①一の鳥居登山口
 ②戸隠神社中社登山口
 ③いいづなリゾートスキー場登山口
 ④霊仙寺跡登山口

 と四方の登山口から山頂を目指し頂上で合流するというサミット式で
 合流後 山頂で記念イベントが行われました

 私は山頂に設置する方位盤の資材を荷揚げする
 一の鳥居登山口からのグループに参加しました

 一般参加者に対し受付でセメントに混ぜる砂を少しずつお渡しして
 荷上げのお手伝いをお願いしました
 大勢の方にご参加いただいたので大変助かりました

 主催者側で方位盤・基礎の軽石ブロック・砂・セメントを荷上げしました

 ■方位盤の荷上げ風景


 ■基礎に使うブロック等の荷上げ(重いので交代で担ぎました)


 ■前日の雨で登山道はぬかるみ岩場の通過は滑りやすく大変でした

 滴り落ちる汗を拭いながらみる傍らの花々はいつになくキレイでした

 ベニバナイチヤクソウの花


 イワカガミ

 山頂ではコカリナが演奏されました
 さわやかで心地よい音色が山頂に響き渡りました


 本日荷上げした資材で方位盤の設置作業が行われます
 方位盤の完成は10月頃の予定です
 紅葉の時期にはみなさんにご活用いただけると思います
  


Posted by ビーグル at 00:20Comments(0)