2008年10月31日

バカ色々

 自ら移動することができない植物たちは
 子孫を残すため様々な手段を用います

 種にプロペラや綿毛を付けて風で飛ばしたり
 おいしい果肉をまとって獣や鳥に食べてもらい
 肥料付きで別の土地に蒔いてもらったり
 殻を反転させて自ら種を弾き飛ばしたり
 人の衣服や獣の体毛に付着して運んでもらったりと
 それぞれの遺伝子に書き込まれた戦略は巧妙デス

 今年 ズボンや上着に取り付いて
 無賃乗車を図った 通称 バカ(したたかで賢いのに何故かこう呼ばれる) たちを紹介します


 イノコズチ
 街中から野山まで至る所に生えている 最もポピュラーなバカ 


 
 チジミザサ
 ネバネバの実がズボンにべったり張り付きます 一番嫌いな奴デス


 オオオナモミ
 在来種のオナモミに替って今は大ぶりなこいつ等が主流デス


 キンミズヒキ
 夏の林縁に咲くバラ科の黄色いきれいな花が
 秋にはバカに化けるなんて・・・








 ヌスビトハギ
 小さく控え目な花を咲かせます
 秋に生る半月状の豆果がドロボウの忍び足の足跡に似るため
 この名が付いたようです
 先人の想像力の豊さには驚かされます
 今年もよく付着しました ほんとに・・・


 最後はヤエムグラ
 付いてくるのは実や種でなく 茎や葉  細かいトゲがあって
 林道から林に入る時にニットの靴下に絡みつき鬱陶しい奴でした

 来シーズンはどんなバカとの出会いがあるのか 今から楽しみデス???


  
タグ :バカ


Posted by ビーグル at 12:20Comments(4)

2008年10月28日

紅葉の戸隠古道

 寒冷前線が日本列島を通過した今日
 善光寺平は晴れ上がりましたが
 飯綱・戸隠高原はみぞれ交じりの雨が時折ぱらつく肌寒い天気
 学生時代に東京青梅マラソンで痛めた膝の古傷が痛むので
 無理をせず飯綱一の鳥居から戸隠中社まで戸隠古道を歩いてきました

 この道はバードライン開通以前までの善光寺から戸隠神社までの表参道で
 一の鳥居から戸隠中社まではおよそ6km
 1丁(約109m)毎に丁石(ちょういし)と呼ばれる道標があります

  今日のスタート地点の一の鳥居 といっても 今は鳥居はありません
 その昔の善光寺地震で倒壊した鳥居が横たわっています

 気持のよい木立のトンネルを進むと大久保の茶屋に到着


 梨の原種 山梨が蕎麦屋の軒先にたわわに実っていました

 ここからしばらくバードライン沿いに進むと祓沢に到着
 昔 参拝者はここの沢で身を清めて戸隠に向かった場所デス


 秋ソバはすでに収穫されていました



 匂いコブシとも呼ばれるタムシバの実


 瑠璃色の宝石 サワフタギの実山紅葉


 蕎麦の原種 宿根蕎麦 


 戸隠中社 山口屋そば店前の五十一丁の丁石

 中社界隈は戸隠古道の静けさとは対照的 観光客でとても賑やかでした

  
タグ :戸隠古道


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2008年10月25日

三登山トレッキング

 シニアパーティー9名様を三登山(みとやま)にご案内してきました


 三登山は長野市若槻地籍にある里山で
 長野市が整備したトレッキングコースがあります
 長野市街地からも良く見える山で名前を知らなくても
 地滑りで有名になった善光寺北側の地附山
 その東側に位置する山頂に何基も電波塔がある山といえば分かるはず・・・


 三登山には幾つかのコースが整備されており 
 今日はその中で一番のロングコースとなる
 蚊里田神社→若槻山城跡→山頂→三千寺→蚊里田神社(約5時間)の山城コースを取りました

 時折薄日の差す曇天でしたが風もなく快適なトレッキングができました
 夏なら山中は緑一色で樹木の判別が難しいのですが
 この時期は樹種ごとに葉が色分けされ観察にはもってこい
 たくさんの樹木を覚えていただけたのではと思います・・・おそらく

 白化し始めたコシアブラの幼木


 色素が抜けて完全に白化したコシアブラの葉
 紅葉・黄葉する樹木の葉は酵素で色素が作られますがコシアブラは逆 不思議デス


 カタツムリと共に最近めったに見なくなったキセルガイモドキ
 昔は石垣などでよく見たんですが・・・・


 ワレモコウ


 山中の古刹 三千寺

 シニア世代のみなさん とてもお元気 全員無事下山完了☆
 山歩き楽しんでいただけたでしょうか・・・一応ミッション完了デス★


  


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2008年10月21日

米子大瀑布から根子岳へ

 一粒で二度美味しい アーモンドグリコのような巡視山行に出掛けました

 入山口は須坂市米子大瀑布
 今日は平日なのに駐車場の空き待ちの車で大渋滞です
 ここはバイクの強み車列をゴボウ抜きして駐車場へ

                  権現滝不動滝

 この大瀑布を左から高巻くように一路 根子岳

 米子鉱山跡地から急登が始まる


 紅葉を眺めながら高度を上げていく


 カルデラ内は根曲竹岳樺林がきれいな造形を作ってくれます


 カルデラの縁 ザレ岩が現れました 根子岳稜線はすぐそこデス

 カルデラ外輪山上にでると牧歌的雰囲気

 気持のよい草原を進むと根子岳に至ります

 小根子岳より四阿山・根子岳を望む


 秋の陽はつるべ落とし ゆっくりとはしていられない
 往路をそのまま米子まで駆け降りる

 今日も充実した秋の一日になりました


 今日出会った山の友達

 カモシカ

 クジャクチョウ



  


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2008年10月18日

戸隠三昧

 朝一で戸隠高原に向かいました

 トンネルを抜けると鮮やかに染まった紅葉の世界
 わくわくしながら先に進むと・・・・ なんと早くも渋滞!

 竹細工店の駐車場でUターン 上楠川方面に転進



 静かな戸隠を求めて荒倉山方面に向かいました

 上楠川集落では脱穀作業の真っ最中

 今年の6月に縦走した西岳が目の前に 先ほどまでの喧噪が嘘のよう
 陽も高くなったので手頃なところで霧見岳に登ることにしました

 落ち葉をサクサク踏みながらの山道は気持ちが良いデス
 キジのつがいがしばらく道案内してくれました






 山中で出会ったのは県外の2組のみ ゆっくりたっぷり楽しめました

おまけ
 落ち葉のアソート
  
タグ :霧見岳


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2008年10月16日

会議は苦手

 午前中 県主催の「長野県環境基本計画策定懇談会」に出席
 「長野県環境基本計画」の改定案について
 市町村・関係団体・国の関係機関等から広く意見を求める懇談会
 すばらしい計画案 日本の官僚は文書作りの天才です
 語尾の「図る」「推進する」が
 お役所言葉「前向きに検討します」と同義語でないことを祈ります

 今日も秋晴れ 午後は一路 戸隠高原へ

 脱穀機の音を遠くに聞きながら信濃路自然歩道を巡回
 冷気が林間に漂い日蔭は寒いくらい
 紅葉が山里に降りてくるのも もう時間の問題でしょう

 戸隠はいよいよ秋本番を迎えます

 これは何だ!!病気かなぁ 虫こぶかもしれないけど・・・・


 アカネの実


 ツタの紅葉


 カンボクの実


 チョウセンゴミシの実 


 ヤクシソウ 


 蓮華岳・爺ケ岳・鹿島槍遠望 小田切地籍から 
 
 日が傾くと一段と寒くなってきたので小田切経由で下山しました
 明日も天気が良さそうですネ☆
 
 
  
   


Posted by ビーグル at 23:17Comments(0)

2008年10月12日

里山歩き愛好者から

 ブログをご覧になった方々から日頃様々なメールを頂きます
 先日 野山の動植物に興味を持たれ里山を楽しんでいらっしゃるという方から
 「登山道にマウンテンバイクの愛好者が入るようになり
 松くい虫駆除のため俵積みしビニールシートで覆われた赤松を道に移動し
 コース作りしているようだ」との情報をいただきました

 現場の状況は上の写真のとおり以前から把握していましたが
 このエリアはレンジャー活動の対象外地域で
 民有林なのか国有林なのか不明 伐採された赤松を道に敷いたのも
 土地管理者なのかマウンテンバイク愛好者なのかも特定できないので
 行政機関への報告は必要ないと判断していた事例でした

 昨今ダウンヒルの マウンテンバイクトライアル競技が盛んになると共に
 この山域はマウンテンバイクのゲレンデ化が進んでいます
 地域によっては森林伐採の作業道をマウンテンバイクトライアルコースとして
 開放しているところもあると聞いています

 指摘された山道は団地の最上部から山中の林道に繋がるもので
 道標もなく入口も出口も不明瞭 地元でも今は知る人も少ない道です
 情報をくれた方とマウンテンバイク愛好者の皆さん
 このマイナーな山道 よく分かりましたネ
 地元人間としてビックリです 感心しちゃいました
 
 この山道の車両進入可否については
 私は法的判断ができる立場ではないので
 今後も注意深く見守っていきたいと思います

 
 
 さて 
 里山ハイカーにとって山中でみる タイヤ跡は確かに気分の良いものではありません
 自分にも これと逆の立場の経験がいくつかあります
 数年前の冬 下山ルートが山麓のスキー場のゲレンデと重なったときのこと
 つぼ足でゲレンデの隅を遠慮がちに歩行する我々は
 スキーヤーから「バーンをボコボコにするな」と怒られました
 渓流にシャワークライミング(沢登り)に行った時は釣り人からは厄介者扱いされ
 カヌーで川下りしていると岸にいる釣り人から石を投げられ
 身に付けたヘルメットとライフジャケットの意味を理解しました
 アウトドアスポーツで活動フィールドが重なる場合こうしたトラブルが発生します
 
 楽しむ手法は違っても自然を楽しむ者同士 敵対心や嫌悪感を先行さることなく
 相手の立場も理解しマナーを守って共存していきたいものです
   


Posted by ビーグル at 19:10Comments(0)

2008年10月10日

秋の涸沢

 北アルプス涸沢カールの紅葉は
 毎年この時期 テレビニュース映像の定番です
 
 明日からの三連休 夏の登山最盛期なみの登山者が訪れることでしょう

 早朝 ザイデングラードから白出のコルをピストン巡回し
 パノラマコースを経て上高地に下山しました


写真左:南岳から槍ケ岳の稜線遠望  写真右:奥穂高岳


 屏風のコル付近からの奥穂涸沢岳


 
  前穂高岳(左写真)              北穂高岳(右写真)


 左から奥穂高岳 涸沢岳 北穂高岳


 大キレットを越えると槍ケ岳は近い



 この三連休 山に行かれる皆さん
 初日は寒冷前線が日本列島を通過しますので
 標高が高い山では雪になるかもしれません
 けして無理な行動をせず安全登山を心がけてくださいネ
   


Posted by ビーグル at 21:08Comments(0)

2008年10月08日

旭山巡回

 郷土環境保全地域に指定されている旭山を2か月ぶりに巡回しました

 
 今年の春付けられた鹿道が今日来てみたら しっかり踏み固められ
 遊歩道と見間違うほど立派に仕上がっていたのにビックリ
 そんな鹿道が何本も遊歩道を横切っていました
 時折 鹿の鳴き声が山中に響きわたります
 テリトリー侵入者の存在を群れに知らせる警戒音かも

 鹿の足跡

出会った実たち

 コバノガマズミ


 チゴユリ


 ムラサキシキブ


 ツノハシバミ

出会った昆虫

 ミヤマフキバッタ


 コガネグモ

その他

 名前不明 表なのか裏なのかも不明 謎のキノコ


 切株のキャンパス  


Posted by ビーグル at 19:45Comments(2)

2008年10月08日

温暖化対策

 長野県は豊かな自然とその景観が大きな観光資源
 毎年多くの観光客が訪れます
 県内の宿泊施設はホテル旅館ペンション民宿など
 その数は約6000と国内トップクラス
 観光産業が盛んなまさに観光立県です

 今日 長野県環境部が県内宿泊施設を対象とした
 「長野県温暖化対策宿泊施設協議会(仮称)」の
 設立総会を開催するというので
 豊科にある県安曇野庁舎に行ってきました

 20世紀末から21世紀始めにかけての10年間における
 長野県の温室効果ガスの排出量の伸び率は全国平均の2倍
 長野市の平均気温の上昇はこの100年間で1度以上
 気象変動による植生や生態系への影響もでてきました
 動植物の絶滅危惧種の増加も深刻です

 県では家庭や産業を5部門に分け部門ごとに
 温室効果ガスの排出量の削減に乗り出しました

 何もしなければ世界的な食糧不足になるのは必至
 食糧の争奪で第三次世界大戦が勃発し人類滅亡なんてことも
 絵空事ではない事態に今地球が陥ろうとしている

 もはや誰かが問題解決してくれるなんて
 客観視してられる状況ではないことを実感しました
 一人々できることから始めなければ手遅れに 
 そんな身近に迫りくる危機を感じた今日の協議会でした  


Posted by ビーグル at 00:02Comments(0)

2008年10月03日

紅葉狩り

 秋晴れに誘われて まずは池田町大峰高原へ

 爺ヶ岳と鹿島槍
 黄金色に染まった安曇野を隔て北アルプスがハッキリ望めました

 お目当ての大峰の大カエデの紅葉はまだこれからでした


 しかたなく一旦 大町に下り 安曇野を北上
 北アルプスに足で登る時間的余裕がないので
 栂池からゴンドラ ロープウェーを乗り継いで
 
 一気に標高1830mの栂池自然園
 時は金なり標高差744m・直線距離4120m・所要時間20分の値段は3300円なり

 ここまでくるとさすがに紅葉が始まっていました






 これは紅葉でもなく黄葉でもなく紫葉





 赤くない マイヅルソウの実 変な奴デス コイツ



 不帰ノ剣のシルエット
 今日は暗くなるまで楽しんじゃいました★


 
   


Posted by ビーグル at 21:06Comments(2)

2008年10月01日

渓流の守り神

 長野市裾花川水系での渓流釣りは1日から禁漁
 自宅の冷蔵庫に釣り餌の残りがまだあったので
 夕まずめに今シーズン最後の釣りを愉しんできました

 既にイワナは産卵の為 源流域への遡上してしまったようで釣果なく納竿しましたが
 この時期は渓流の守り神たちによる集団襲撃もなく快適に釣り糸を垂らすことができました

 渓流の守り神
 豊かな原生森を流れる渓流には「ウルリ」という小さな守り神がいます。
 夏 我々が釣りや沢登りで渓流に立ち入ろうとすると
 まず彼らの集中攻撃を受けることになります。
 彼らは何百何千の集団で侵入者に襲いかかり 
 剣のような顎で皮膚を切り裂き流れ出る血を啜るんです。
 激痛が走り数日間腫れと痛痒さに苦しめられます。
 

 その正体はメジロアブ 学術名は双翅目(ハエ目)短角亜目(ハエ亜目)アブ科の刺咬昆虫 
 イヨシロオビアブ


 この小型吸血アブはハエほどの大きさで裏日本地域の特有種
 その攻撃性は半端じゃなく廃村に追い込まれた村もあるとか
 彼らに襲われると もう釣りどころではありません。
 時には人の周りにアブの柱が立つことさえあると聞きました
 釣り人にとっては遭遇率からして熊やマムシより厄介です
 
 東北地方ではツナギ 上越ではウルル 糸魚川ではウロウロ・ウルウル
 富山ではオロロ 鬼無里ではウルリ ともよばれます。
 自動車をも集団で囲むことから二酸化炭素や熱に反応すると思われます

 山の神の領域を犯すことを恐れなくなった人間は深山の治山工事用に
 森の小さな番人たちを誘引し一網打尽にする装置まで開発し販売までしています
 昔の人々は自然に対し畏敬の念をもち安易にその聖域を犯すことをしませんでした
 謙虚に自然と向き合いその恩恵を受けていた先人達のほうが
 今の人間よりはるかに賢いと思います!!!
 
  


Posted by ビーグル at 00:23Comments(0)